「小規模事業者持続化補助金」の一般型とコロナ特別対応型について 令和2年度第3回公募


令和2年度補正予算「小規模事業者持続化補助金」の第3回が公募中です。
多くの事業所では、新型コロナウイルスの影響で現状の危機に対処するために、必要に応じた資金繰り支援策を活用していると思います。

支援策の「情報リンク集」と「主な支援策」
融資一覧表と融資実行について

それと同時に新型コロナウイルス収束後、いわゆる「アフター(ポスト)コロナ」を見据えた新たな取り組みも考えていきたいと考えている事業所も多い。
しかし、当然ながら新規事業スタート、販路開拓、業態開発には投資も必要となってきます。
そこで、数ある補助金制度の中では比較的ハードルが低い「小規模事業者持続化補助金」の活用をこの機会に検討してみてはどうでしょうか。

「小規模事業者持続化補助金」の活用
3大補助金の特別枠について

「小規模事業者持続化補助金」とは、小規模事業者が事業を維持継続するために実施する販路拡大等に対して、掛かる費用の3分の2(一般型:上限50万円、コロナ特別対応型:上限100万円)を補助するという補助事業です。
ここで言う小規模事業者は、パート・アルバイトを除く従業員5名以下(製造業・建設業・運輸業の場合は従業員20名以下)の事業者で、開業直後個人・法人も対象のため、治療院・整骨院(接骨院)・整体院・エステサロン・美容サロンなどでも対象になるケースは多いでしょう。

この「小規模事業者持続化補助金」ですが、以前までは年に2回程度の公募でしたが、今年度から複数回(第1回~10回)の公募になり、さらに新型コロナウイルスの影響で「コロナ特別対応型」や「事業再開支援パッケージ(事業再開枠・特例事業者の上限引き上げ)」が新設されました。
このため、事業者が公募をしやすくなりましたが、公募の度に内容の変化があり、一般型とコロナ特別対応型も内容が違うため、一般型とコロナ特別対応型について以下の表1で整理しました。


表1:「小規模事業者持続化補助金」の一般型とコロナ特別対応型(経営治療コンサルティング作成)
小規模事業者持続化補助金
一般型コロナ特別対応型
補助対象者小規模事業者(従業員5人以下、製造業、建設業、運輸業は20人以下)の法人・個人・一定の要件を満たした特定非営利活動法人(医師・歯科医師・助産師を除く)
※申請時点で事業をおこなっていること
対象となる事業販路開拓等のための取組。あるいは、販路開拓等の取組とあわせて行う業務効率化(生産性向上)のための取組み新型コロナウイルス感染症が事業環境に与える影響を乗り越えるために、具体的な対策(サプライチェーンの毀損への対応、非対面型ビジネスモデルへの転換、テレワーク環境の整備)に取り組む小規模事業者等が、経営計画を作成し、その計画に沿って地道な販路開拓等への取組み
補助対象経費①機械装置等費、②広報費、③展示会等出展費、④旅費、⑤開発費、⑥資料購入費、⑦雑役務費、⑧借料、⑨専門家謝金、⑩専門家旅費、⑪設備処分費、⑫委託費、⑬外注費
補助額・補助率・補助額:上限50万
・補助率:2/3
※以下に該当する事業所は最大100万円
①「認定市区町村のよる特定創業支援等事業の支援」を受けた小規模事業者
法人設立日が2020年1月1日以降である会社(企業組合・協業組合を含む)、または税務署に提出する開業届に記載されている開業日が2020年1月1日以降である個人事業主
・補助額:上限100万
・補助率:2/3
特徴■経政策加点項目
1.新型コロナウイルス感染症加点
①直接的な影響(従業員等の罹患)
新型コロナウイルス感染症への役員・従業員の罹患による、同感染症による直接的な影響を受けていること。「病院等からの診断書」の写し、および自社に在籍していることを証する書類(労働者名簿の写しまたは賃金台帳の写し)を添付。
②間接的な影響(
売上減少
新型コロナウイルス感染症に起因して、前年同月比10%以上の売上減少が生じていること。地方自治体が発行する売上減少証明書を添付(セーフティネット保証4号に関して地方自治体から売上減の認定を受けている場合は、同認定書(コピー可)で代用可。

2.賃上げ加点
①給与支給総額増加
補助事業完了後の1年間において、給与支給総額を1年で1.5%以上増加させる計画を有し、従業員に表明していること(被用者保険の適用拡大の対象となる小規模事業者が制度改革に先立ち任意適用を受けている場合は、1年で1%以上増加させる計画)。従業員に表明した文書の写し等を添付。
②事業場内最低賃金引き上げ
補助事業完了から1年後、事業場内最低賃金(事業場内で最も低い賃金)を地域別最低賃金+30円以上の水準にする計画を有し、従業員に表明していること。従業員に表明した文書の写しを添付。
3.事業承継加点
基準日時点の代表者の年齢が満60歳以上の事業者で、かつ、後継者候補の者が補助事業を中心になって行う。
4.経営力向上計画加点
基準日までに
経営力向上計画の認定を受けていること。認定書の写しを添付。
5.地域未来牽引企業等加点
基準日時点で、①経済産業省が選定した「地域未来牽引企業」であり、地域未来牽引企業としての目標を設定していること(選定証の写しと経済産業省に提出した「目標設定シート」を添付)、または、②地域未来投資促進法に基づく地域経済牽引事業計画の承認を都道府県から受けていること(承認通知の写しを添付)。
申請要件
補助対象経費の
1/6以上が、以下のいずれか一つ以上の投資に取り組むこと
A:サプライチェーンの毀損への対応
顧客への製品供給を継続するために必要な設備投資や製品開発を行うこと
(例:部品調達困難による部品内製化、製品の安定供給・増産体制のための設備更新)
B:非対面型ビジネスモデルへの転換
非対面・遠隔でサービス提供するためのビジネスモデルへ転換するための設備・システム投資を行うこと
(例:店舗販売からEC販売へのシフト、VR・オンラインによるサービス提供)
※単に認知度向上のためのHP開設は、対象になりません。
C:テレワーク環境の整備
従業員がテレワークを実践できるような環境を整備すること
(例:WEB会議システム、クラウドサービスの導入、PC等を含むシンクライアントシステムの導入)

■加点項目
「新型コロナウイルス感染症が事業環境に与える影響を乗り越えるための取組として適切な取組であるか」、「『サプライチェーンの毀損への対応』、『非対面型ビジネスモデルへの転換』、『テレワーク環境の整備』のいずれか一つ以上に関する取組を行う事業計画になっているか」についての加点審査

遡及適用あり
特例として、2020年2月18日以降に発生した経費を遡って補助対象経費として認めます。なお、2020年2月18日以降に開業した者は、開業日以降に発生した経費に限り、補助対象経費として認めます。

概算払い制度あり
特例として概算払いによる即時支給が認められており、希望される方のうち一定の要件を満たす場合、補助対象経費の一部について審査後、概算払いによる即時支給(交付決定額の50%)を受けることができます。
・請求金額 交付決定額×50%の金額
・必要書類:市区町村発行の売上減少証明書(20%以上売上減少)、もしくはセーフティーネット保証4号の認定書(コピー可)
※2020 年 2 月~2021 年 1 月までの任意の1ヵ月と、前年同月を比較。なお、創業 1 年未満のため前年同月との比較ができない場合は、創業後申請する月の前月までの間の任意の連続する3ヵ月間の月平均売上高(A)と当該期間の最終月(B)または当該期間以降の任意の1ヵ月(C)の売上高との比較により対応いただけます。ただし、B または C については、2020 年 2 月以降である必要があります。

次に、この表における「コロナ特別対応型」と「一般型」の特徴的な事項を説明していきます。

コロナ特別対応型

前提要件

補助対象経費の6分の1以上が、以下のいずれか一つ以上の投資に取り組むことが必要となります。
A:サプライチェーンの毀損への対応
  顧客への製品供給を継続するために必要な設備投資や製品開発を行うこと
B:非対面型ビジネスモデルへの転換
  非対面・遠隔でサービス提供するためのビジネスモデルへ転換するための設備・システム投資を行うこと
C:テレワーク環境の整備
  従業員がテレワークを実践できるような環境を整備すること
  ※補助対象期間内に、少なくとも1回以上、テレワークを実施する必要があります。

特徴

一般型と比べて大きな特徴は、以下の3つです。

1.上限額が50万から100万円

2.遡及適用あり(遡って経費算入が可能
 特例として、2020年2月18日以降に発生した経費を遡って補助対象経費とします。なお、2020年2月18日以降に開業した者は、開業日以降に発生した経費に限り、補助対象経費として認めます。

3.概算払い制度あり(交付決定額の50%がすぐに支給される
 特例として、概算払いによる即時支給が認められており、一定の要件を満たす場合、交付決定額の50%を受けることができます。
  • 請求金額:交付決定額×50%の金額
  • 必要書類:市区町村発行の売上減少証明書(20%以上売上減少)、もしくはセーフティーネット保証4号の認定書(コピー可)

一般型

上限額100万円の要件追加

一般型の補助率と上限額(2/3以内、50万円)は変更ありませんが、補助上限額が100万円となる要件➁が追加されました。
①「認定市区町村のよる特定創業支援等事業の支援」を受けた小規模事業者、
②法人設立日が2020年1月1日以降である会社(企業組合・協業組合を含む)、または税務署に提出する開業届に記載されている開業日が2020年1月1日以降である個人事業主については、補助上限額が100万円となります。
これにより、持続化給付金などが給付対象外であった、創業直後の事業所は「コロナ特別対応型」の前提要件を満たさなくても、補助上限額が2倍となっています。

加点項目

加点項目では、該当事業所の多さと、加点以外にもメリットがある以下の2つをご紹介しておきます。

1.新型コロナウイルス感染症加点

①直接的な影響(従業員等の罹患)
  •  新型コロナウイルス感染症への役員・従業員の罹患による、同感染症による直接的な影響を受けていること。
  • 「病院等からの診断書」の写し、および自社に在籍していることを証する書類(労働者名簿の写しまたは賃金台帳の写し)の添付が必要です。

②間接的な影響(売上減少)
  • 新型コロナウイルス感染症に起因して、前年同月比10%以上の売上減少が生じていること。
  • 地方自治体が発行する売上減少証明書を添付が必要です。セーフティネット保証4号に関して地方自治体から売上減の認定を受けている場合は、同認定書(コピー可)で代用可。

2.経営力向上計画加点

  • 基準日までに経営力向上計画の認定を受けていること。
  • 認定書の写しを添付が必要です。

「経営力向上計画」とは、認定を受けて、対象となる設備を購入した場合、法人税などの税金が少なくなる制度です(特別償却または税額控除のどちらか)。
経営力向上計画の認定、対象設備に該当するかの確認は必要ですが、これに該当する投資を行った場合、納める税金の額が少なくなります。
加点項目でもあり、上記メリットもある「経営力向上計画」ですが、認定には1ヶ月程度(30日~45日)かかることから、検討されている事業所は早めに申請しておきましょう。


事業再開支援パッケージ(事業再開枠・特例事業者の上限引き上げ)

概要

事業再開枠と特例事業者について表2にまとめました。
「一般型」や「コロナ特別対応型」に“オマケ”のような形で上乗せされるもので、感染症のクラスター対策の費用が補助されるものです。

表2:事業再開枠と特例事業者(経営治療コンサルティング作成)
style="background-color: white; font-family: -apple-system, BlinkMacSystemFont, "Hiragino Kaku Gothic ProN", Meiryo, sans-serif; font-size: 16px; letter-spacing: 1.5px; overflow: auto; white-space: nowrap;">
事業再開支援パッケージ
事業再開枠特例事業者の上限引き上げ
補助対象者業種ごとのガイドラインに基づいた感染拡大防止の取組(事業再開枠)を行う場合は、定額補助・上限50万円を上乗せ事業再開枠に加えて、クラスター対策が特に必要と考えられる施設で事業を行う事業者(以下、特例事業者)については、さらに上限を50万円上乗せ
対象となる事業本補助金事業は、持続的な経営に向けた経営計画に基づく、小規模事業者等の地道な販路開拓等の取組を行う事業者が、事業再開に向け、業種別ガイドライン等に照らして事業を継続する上で必要最小限の感染防止対策を行う取組について補助するものです。下記のいずれかに該当する施設で事業を実施する事業者であることとします。
○屋内運動施設:屋内に運動器具が備えられており、指定するガイドラインに該当すると考えられる施設
○バー:風営法第2条第1項第2、3号若しくは第11号に該当して営業許可を取得し、又は風営法の深夜酒類提供飲食店営業の届出を行っており、指定するガイドラインに該当すると考えられる施設
○カラオケ:個室にカラオケ設備があり、指定するガイドラインに該当すると考えられる施設
○ライブハウス:音響設備が備えられており、指定するガイドラインに該当すると考えられる施設
○接待を伴う飲食店:風営法2条1項1号に該当し、営業許可を取っており、指定するガイドラインに該当すると考えられる施設

各指定ガイドラインの詳細
補助対象経費■補助対象となる経費は、以下の条件をすべて満たすものとなります。
・使用目的が本事業の遂行に必要なものと明確に特定できる経費
・2020 年 5 月 14 日以降に発生し対象期間中に支払、使用等が完了した経費
・証拠資料等によって支払金額が確認できる経費

⑭消毒費用、⑮マスク費用、⑯清掃費用、⑰飛沫対策費用、⑱換気費用、⑲その他の衛生管理費用、⑳PR費用
・一般型:上乗せ分の50万円は、事業再開枠か一般型分に配分可能です。
・コロナ特別対応型:特例事業者に該当する事業者の上乗せ50万円は、事業再開枠かコロナ特別対応型分に
配分可能です。
補助額・補助率・補助額:上限50万
・補助率:
定額(10/10)
・補助額:上限50万
補助率:定額(10/10)または2/3

事業再開枠とは、「一般型」や「コロナ特別対応型」にあわせて、事業者が事業再開に向け、業種別ガイドライン等に照らして事業を継続する上で必要最小限の感染防止対策を行う取組について補助するものです。
そして、特例事業者とは、「事業再開枠」に加えて、クラスター対策が特に必要と考えられる施設で事業を実施する事業者について、さらに上限を50万円上乗せするものです。
施術ビジネス業界では、ジム等を併設しているような事業者は該当する可能性があります。

それぞれ、合計額が「一般型≧事業再開枠」の条件のもと、特例事業者の上限50万円を振分が可能です。

事業再開枠の対象経費

事業再開枠の対象となる経費を表3にまとめました。
日常的な業務に使用するものや、換気設備(換気扇、空気洗浄機等)も対象となっています。
これらの項目が、上限50万円(特例事業者に該当する場合は100万円)で活用できるのは大きいのではないでしょうか。

表3:事業再開枠の対象経費(経営治療コンサルティング作成)
項目費目の説明
⑭消毒費用消毒設備(除菌剤の噴霧装置、オゾン発生装置、紫外線照射機等)の購入費、消毒作業 の外注費、消毒液・アルコール液の購入費
⑮マスク費用マスク・ゴーグル・フェイスシールド・ヘアネットの購入費
⑯清掃費用清掃作業の外注費、手袋・ゴミ袋・石けん・洗浄剤・漂白剤の購入費
⑰飛沫対策費用アクリル板・透明ビニールシート・防護スクリーン・フロアマーカーの購入費・施工費
⑱換気費用換気設備(換気扇、空気洗浄機等)の購入費
⑲その他衛生管理費用ユニフォームのクリーニング外注費、トイレ用ペーパータオル・使い捨てアメニティ用 品の購入費、従業員指導等のための専門家活用費、体温計・サーモカメラ・キーレスシ ステム・インターホン・コイントレー・携帯型アルコール検知器の購入費
⑳PR費用(感染防止のための注意喚起に要する費用)ポスター・チラシの外注・印刷費

まとめ

令和2年度小規模事業者持続化補助金「一般型」と「コロナ特別対応型」の公募について整理してきました。多くの小規模事業者が、この補助金を活用できる一助になれればと思います。

詳細は、以下の公募要領をご確認ください。
一般型
コロナ特別対応型

最後に、電子申請と今後のスケジュールについて記載しておきます。

電子申請

今回の公募から、「小規模事業者持続化補助金」でも電子申請が可能となりました。
他の補助金(ものづくり補助金・IT導入補助金など)は電子申請が必須となっていることから、「小規模事業者持続化補助金」も近いうちに電子申請のみとなると予想されます。
そのため、今後の申請を検討されている事業所は、電子申請に必要なgBIZ IDを早めに取得しておきましょう(取得には2週間程度かかります)。

作成方法(動画)

今後のスケジュール

一般型のスケジュールは公表されており、以下の通りです。
コロナ特別対応型も複数回の公募を予定しているとしていますが、現在は第2回一般型と同じ締切(6/5)となっています。
第3回以降は、一般型は10月2日となっていますが、コロナ特別対応型は8月7日となっているために注意が必要です。
回を重ねるごとに資金繰りの見通しがついた事業者の申請増加が見込まれます。公募ごとの予算は決まっていることから、検討されている事業所は早めの申請をおすすめします。

■小規模事業者持続化補助金(一般型スケジュール)
  • 第1回:2020 年3月 31 日(火)
  • 第2回:2020 年6月5日(金)
  • 第3回:2020 年 10 月2日(金)
  • 第4回:2021 年2月5日(金)
  • 第5回:2021 年6月初旬頃
  • 第6回:2021 年 10 月初旬頃
  • 第7回:2022 年2月初旬頃
  • 第8回:2022 年6月初旬頃
  • 第9回:2022 年 10 月初旬頃
  • 第10 回:2023 年2月初旬頃【最終】
■小規模事業者持続化補助金(コロナ特別対応型スケジュール)
  • 第1回:2020 年3月 31 日(火)
  • 第2回:2020 年6月5日(金)
  • 第3回:2020年8月7日(金)
  • 第4回:2020 年 10 月2日(金)


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