施術ビジネスにおける「小規模事業者持続化補助金」の活用について

2020/06/25 追記:最新の情報に大幅リニューアルしています。

施術ビジネスの事業者が「小規模事業者持続化補助金」を活用できるために、内容を説明していきたいと思います。
※施術ビジネス:手技によるサービス提供をしている業種(治療院、整骨院、鍼灸院、マッサージ院・整体院・リラクゼーションサロン、美容・エステサロンなど)

今年度から、従来の「一般型」が複数回の公募となりました。そこに、新型コロナウイルス感染症の経済対策として、「コロナ特別対応型」や「事業再開枠・特例事業者の上限引き上げ」が新設され、内容がとても手厚くなっています。
そして、通年での公募となるため、十分な準備をした上で、都合の良いタイミングで、申請・事業実施が可能です。(締切日は複数回設けられます。)

※その他、生産性革命推進事業の3大補助金である「ものづくり補助金」、「IT導入補助金」の公募も始まっています。
補助金の概要
3大補助金について
ものづくり補助金について


今回の内容は以下の通りです。

  • 小規模事業者持続化補助金の概要(一般型とコロナ特別対応型)
  • 事業再開枠と特例事業者について
  • 今後のスケジュール


小規模事業者持続化補助金の概要

「一般型」と「コロナ特別対応型」

この補助金は、文字通り小規模な事業者が販路開拓等(販売促進)に使用する費用が補助される(もらえる)ものです。
「一般型」と「コロナ特別対応型」の概要を【表1】にまとめました。

表1:「一般型」と「コロナ特別対応型」の概要(経営治療コンサルティング作成)

小規模事業者持続化補助金
一般型コロナ特別対応型
補助対象者小規模事業者(従業員5人以下、製造業、建設業、運輸業は20人以下)の法人・個人・一定の要件を満たした特定非営利活動法人(医師・歯科医師・助産師を除く)
※申請時点で事業をおこなっていること
対象となる事業販路開拓等のための取組。あるいは、販路開拓等の取組とあわせて行う業務効率化(生産性向上)のための取組み新型コロナウイルス感染症が事業環境に与える影響を乗り越えるために、具体的な対策(A:サプライチェーンの毀損への対応、 B:非対面型ビジネスモデルへの転換、C:テレワーク環境の整備)に取り組む小規模事業者等が、経営計画を作成し、その計画に沿って地道な販路開拓等への取組み
補助対象経費①機械装置等費、②広報費、③展示会等出展費、④旅費、⑤開発費、⑥資料購入費、⑦雑役務費、⑧借料、⑨専門家謝金、⑩専門家旅費、⑪設備処分費、⑫委託費、⑬外注費
補助額・補助率・補助額:上限50万
・補助率:2/3
※以下に該当する事業所は最大100万円
①「認定市区町村のよる特定創業支援等事業の支援」を受けた小規模事業者
法人設立日が2020年1月1日以降である会社(企業組合・協業組合を含む)、または税務署に提出する開業届に記載されている開業日が2020年1月1日以降である個人事業主
・補助額:上限100万
・補助率:2/3(B・Cに該当する取り組みは3/4)


共通の特徴

この補助金の特徴は以下の通りとなります。

□従業員5人以下(パート・アルバイト除く)
開業直後から使える
個人・法人どちらでも可
□上限額・補助率
  • 一般型:上限50万円*¹(補助率2/3)
  • コロナ特別対応型:上限100万円(補助率2/3、B・Cに該当する取り組みは3/4) 
  • 補助率2/3の例:30万のウェブサイト作成で20万円の補助金交付
□追加募集など複数回に分けて募集される年が多い ➡ 今年からは通年(年4回)
□毎年1回まで採択となることが可能 
*¹:以下のどちらかの条件を満たせば、最大100万円(補助率2/3)
①「認定市区町村による特定創業支援等事業の支援」を受けた小規模事業者が該当
市区町村による創業のビジネススキル研修、専門家によるハンズオン支援等
(例)創業スクール、経営相談など
詳細の確認はこちら
2020年1月1日以降に創業の法人・個人

コロナ特別対応型の特徴

■申請要件
補助対象経費の1/6以上が、以下のいずれか一つ以上の投資に取り組むこと
A:サプライチェーンの毀損への対応
顧客への製品供給を継続するために必要な設備投資や製品開発を行うこと
(例:部品調達困難による部品内製化、製品の安定供給・増産体制のための設備更新)
B:非対面型ビジネスモデルへの転換
非対面・遠隔でサービス提供するためのビジネスモデルへ転換するための設備・システム投資を行うこと
(例:店舗販売からEC販売へのシフト、VR・オンラインによるサービス提供)
※単に認知度向上のためのHP開設は、対象になりません。
C:テレワーク環境の整備
従業員がテレワークを実践できるような環境を整備すること
(例:WEB会議システム、クラウドサービスの導入、PC等を含むシンクライアントシステムの導入)

■遡及適用あり
特例として、2020年2月18日以降に発生した経費を遡って補助対象経費にできる。

■概算払い制度あり
特例として、20%以上売上減少の要件を満たす場合、補助対象経費の一部について審査後、概算払いによる即時支給(交付決定額の50%)を受けることができます。

審査で加点される事業者(一般型)

  1. 【新型コロナウイルス感染症】による経営上の影響を受けながらも販路開拓等に取り組む事業者 ➡ 最寄りの自治体に売上減少が分かる書類を持参し、証明書の発行が必要 ※2次公募で終了
  2. 【賃上げ】の計画を有し、従業員に表明している事業者 ➡ 賃上げ計画書の提出と、実際に上昇させたかどうかという報告が必要(給与総額を1.5%以上上昇させるか、時給換算の賃金を地域別最低賃金よりも30円以上で設定すれば該当)
  3. 代表者が満 60 歳以上の事業者であって、かつ、【後継者】候補が中心となって補助事業を実施する事業者
  4. 【生産性の向上】(経営力強化)の取組を行っている事業者 ➡ 「経営力向上計画*²」の認定取得が必要です。 *²中小企業の人材育成、コスト管理、生産性向上など経営力の向上を目的として策定される計画
  5. 【地域未来牽引企業】または、地域未来投資促進法に基づく【地域経済牽引事業計画】の承認を受けた事業者 ➡ 公的機関からの推薦が必要(地域資源の活用など、地域特性を活用した高い成長性が見込める経営を行う必要がある)
  6. 【過疎地域】という極めて厳しい経営環境の中で販路開拓に取り組む事業者 ➡ 行政で定められた「過疎地域」に所在する事業者が対象 ※この地域が該当するのかは、次のサイトを参考にして下さい。https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_gyousei/c-gyousei/2001/kaso/kasomain0.htm
今回の小規模事業者持続化補助金では、1.の新型コロナの影響を加点にした点は大きく当てはまる事業所も多いと思います。そのため、該当する事業所はぜひ活用しましょう。

毎回加点項目となっている4.の「経営力向上計画」の認定取得をすることで、補助金への優先採択(加点)の他に、設備投資等に関しての節税効果や、保証・融資、税で優遇を受けられる、というメリットもあります。
そのため、余裕のある事業者さんは、ぜひ事前に認定取得できるようにしましょう。

小規模事業者持続化補助金の対象経費

次に、対象となる経費を【表2】にまとめました。


表2:小規模事業者持続化補助金の対象経費(経営治療コンサルティング作成)

項目費目の説明
➀ 機械装置等費事業の遂行に必要な機械装置等の購入に要する経費
➁ 広報費ホームページ・パンフレット・ポスター・チラシ等を作成および広報媒体等を活用するために支払われる経費
➂ 展示会等出展費新商品等を展示会等に出展または商談会に参加するために要する経費
➃ 旅費事業の遂行に必要な情報収集(単なる視察・セミナー研修等参加は除く)や各種調査を行うため、および販路開拓(展示会等の会場との往復を含む。)等のための旅費
➄ 開発費新商品の試作品や包装パッケージの試作開発(原材料、設計、デザイン、製造、改良、加工)
➅ 資料購入費事業遂行に必要不可欠の図書等を購入
⑦ 雑役務費補助事業期間中に臨時的に雇い入れた者のアルバイト代、派遣料、交通費
➇ 借料事業遂行に直接必要な機器・設備等のリース料・レンタル料と
➈ 専門家謝金事業の遂行に必要な指導・助言を受けるための専門家等への謝礼
➉ 専門家旅費事業の遂行に必要な指導・助言等を依頼した専門家等に支払われる旅費
⑪ 設備処分費作業スペースを拡大する等の目的で、設備機器等を廃棄・処分、または修理・原状回復
⑫ 委託費①から⑪に該当しない経費で、事業遂行に必要な業務の一部を第三者に委託(委任)
⑬ 外注費①から⑫に該当しない経費で、事業遂行に必要な業務の一部を第三者に外注(請負)


このように、かなり幅広い経費が対象となっていますね。
その中でも、申請サポートをしていて活用が多いのは以下の4つの項目です。
  1. 機械装置費等:物理療法機器の導入、会計システム、顧客管理システムなど
  2. 広報費:ホームページ作成、看板設置、広告掲載、販促品作成、パンフレット、チラシ、カタログなど
  3. 借料:新商品の開発や販路開拓に必要な機器設備のリース料・レンタル料、商品サービスPRイベント会場レンタル料
  4. 外注費:店舗改装、バリアフリー、トイレ改装(和式→様式)、ガス水道排気工事
※汎用性のあるパソコンなどのハードウェアや車両は対象外です。

事業再開枠と特例事業者

概要

事業再開枠と特例事業者について【表3】にまとめました。
「一般型」や「コロナ特別対応型」に“オマケ”のような形で上乗せされるもので、感染症のクラスター対策の費用が補助されるものです。

表3:事業再開枠と特例事業者(経営治療コンサルティング作成)
事業再開支援パッケージ
事業再開枠特例事業者の上限引き上げ
補助対象者業種ごとのガイドラインに基づいた感染拡大防止の取組(事業再開枠)を行う場合は、定額補助・上限50万円を上乗せ事業再開枠に加えて、クラスター対策が特に必要と考えられる施設で事業を行う事業者(以下、特例事業者)については、さらに上限を50万円上乗せ
対象となる事業本補助金事業は、持続的な経営に向けた経営計画に基づく、小規模事業者等の地道な販路開拓等の取組を行う事業者が、事業再開に向け、業種別ガイドライン等に照らして事業を継続する上で必要最小限の感染防止対策を行う取組について補助するものです。下記のいずれかに該当する施設で事業を実施する事業者であることとします。
○屋内運動施設:屋内に運動器具が備えられており、指定するガイドラインに該当すると考えられる施設
○バー:風営法第2条第1項第2、3号若しくは第11号に該当して営業許可を取得し、又は風営法の深夜酒類提供飲食店営業の届出を行っており、指定するガイドラインに該当すると考えられる施設
○カラオケ:個室にカラオケ設備があり、指定するガイドラインに該当すると考えられる施設
○ライブハウス:音響設備が備えられており、指定するガイドラインに該当すると考えられる施設
○接待を伴う飲食店:風営法2条1項1号に該当し、営業許可を取っており、指定するガイドラインに該当すると考えられる施設

各指定ガイドラインの詳細
補助対象経費■補助対象となる経費は、以下の条件をすべて満たすものとなります。
・使用目的が本事業の遂行に必要なものと明確に特定できる経費
・2020 年 5 月 14 日以降に発生し対象期間中に支払、使用等が完了した経費
・証拠資料等によって支払金額が確認できる経費

⑭消毒費用、⑮マスク費用、⑯清掃費用、⑰飛沫対策費用、⑱換気費用、⑲その他の衛生管理費用、⑳PR費用
・一般型:上乗せ分の50万円は、事業再開枠か一般型分に配分可能です。
・コロナ特別対応型:特例事業者に該当する事業者の上乗せ50万円は、事業再開枠かコロナ特別対応型分に
配分可能です。
補助額・補助率・補助額:上限50万
・補助率:
定額(10/10)
・補助額:上限50万
補助率:定額(10/10)または2/3

事業再開枠とは、「一般型」や「コロナ特別対応型」にあわせて、事業者が事業再開に向け、業種別ガイドライン等に照らして事業を継続する上で必要最小限の感染防止対策を行う取組について補助するものです。
そして、特例事業者とは、「事業再開枠」に加えて、クラスター対策が特に必要と考えられる施設で事業を実施する事業者について、さらに上限を50万円上乗せするものです。
施術ビジネス業界では、ジム等を併設しているような事業者は該当する可能性があります。

それぞれ、合計額が「一般型≧事業再開枠」の条件のもと、特例事業者の上限50万円を振分が可能です。

事業再開枠の対象経費

事業再開枠の対象となる経費を【表4】にまとめました。
日常的な業務に使用するものや、換気設備(換気扇、空気洗浄機等)も対象となっています。
これらの項目が、上限50万円(特例事業者に該当する場合は100万円)で活用できるのは大きいのではないでしょうか。

表4:事業再開枠の対象経費(経営治療コンサルティング作成)
項目費目の説明
⑭消毒費用消毒設備(除菌剤の噴霧装置、オゾン発生装置、紫外線照射機等)の購入費、消毒作業 の外注費、消毒液・アルコール液の購入費
⑮マスク費用マスク・ゴーグル・フェイスシールド・ヘアネットの購入費
⑯清掃費用清掃作業の外注費、手袋・ゴミ袋・石けん・洗浄剤・漂白剤の購入費
⑰飛沫対策費用アクリル板・透明ビニールシート・防護スクリーン・フロアマーカーの購入費・施工費
⑱換気費用換気設備(換気扇、空気洗浄機等)の購入費
⑲その他衛生管理費用ユニフォームのクリーニング外注費、トイレ用ペーパータオル・使い捨てアメニティ用 品の購入費、従業員指導等のための専門家活用費、体温計・サーモカメラ・キーレスシ ステム・インターホン・コイントレー・携帯型アルコール検知器の購入費
⑳PR費用(感染防止のための注意喚起に要する費用)ポスター・チラシの外注・印刷費

公募スケジュール

現在は、第2回の申請受付が終了しており、第3回の申請受付締切は、一般型が10/2コロナ特別対応型は8/7となっていて、同じ日程ではありません。
さらに、「一般型」の申請受付締切が当日消印有効に対して、「コロナ特別対応型」は必着となっているので、注意が必要です。
※補助事業の実施期間:採択(審査の結果、補助金の交付が決定)後に、見積り~製品・サービスの購入をおこなう期間のこと。

持続化補助金のスケジュール(経営治療コンサルティング作成)

このように、開業直後から使えて、個人事業主でも活用でき、この業界のほとんどが小規模事業者であることから、当てはまる事業者さんが多いのではないでしょうか。
さらに、現在はクラスター対策の費用(上限50~100万円)が“オマケ”でついてきます。

この業界では、資格者も店舗も増え続けているため、過当競争がおこっていて、特に廃業が小規模事業者で多くなっています
そのため、この補助金を上手く活用できれば、自社の課題解決や更なる成長へ取り組む良いきっかけといえそうです。

毎年1回まで採択となることが可能であるため、該当する事業者さんは、ぜひ毎年申請しましょう‼

(参考)

詳細を知りたい場合は、以下の公募要領を参考にして下さい。公募要領は事業所の所在地により、商工会バージョンか商工会議所の管轄になりますので、どちらかの公募要領をご参照ください。

商工会管轄地域の事業者向け公募要領

一般型
コロナ特別対応型

商工会議所管轄地域の事業者向け公募要領

一般型
コロナ特別対応型


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